ダブルケアを乗り越えて
私がプリエを創業したのは、1999年7月、29歳の時でした。その後娘を出産しましたが、ちょうど1歳になった時、それまで元気だった母が50代という若さで突然脳出血で倒れました。幸い命はとりとめたものの、左半身がマヒという後遺症が残り、その2年後に今度は父が倒れ、プリエの経営と幼い3人の子育てをしながら両親の面倒を見るというダブルケアの生活になってしまいました。
お店もなかなか軌道に乗らず、私自身も過労で何度も倒れてしまいました。
そんな中、希望になったのは、一番辛いはずの母から、「あなたが一番大変なんだね」と言ってくれた一言でした。
家の中でもお店でも、何があっても明るく元気に振る舞いながらも、何度も心が折れそうになることもありました。それを察していつも母は「あなたは強いから大丈夫。」「絶対にこの長くて暗いトンネルは抜けていけるから。」「私(母)がちゃんとそばにいるからね。」とさりげなく声をかけてくれました。今でもその言葉を思い出すだけで、涙があふれてきます。
現在は、リハビリの甲斐あって、一緒に旅行に行けるほど回復しました。私の娘も結婚し、母から見ると3人の曾孫に囲まれる4世代になっていました。
高齢化や晩婚化でダブルケアが深刻な社会課題になりつつあります。これまでの体験を活かし、事業を通じて解決するため、訪問型の全身循環美療をスタートするため準備をしています。
まずは、私と同じ団塊ジュニア世代の無理が重なった心身をケアできればと考えています。